大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和23(れ)1746 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鶴和夫の上告趣意について。

一、原判決の認定した事実は、A某、B某等が同判示のとおりC方で現金一三万九

六七〇円を強取してから間もなく、被告人が、右A某の依頼により、強取した現金

の一部である一万七〇〇〇円をその情を知り乍ら同人から受取つて、一足先にその

住居地である下関市に帰つていた前記B某の許迄運搬して届けたという事実である。

即ち他人の所有にかかる財物に関する犯罪であつて、財物を強取した事実とその財

物を受取つて運搬した事実とは互に緊密な関係がある。この事実は公判請求書記載

の強盗の起訴事実の中に包含せられているものと解するのを相当とする。それ故、

原判決には、所論のように、審判の請求を受けない事件につき判決した違法は存し

ない。

二、被告人の運搬した現金一万七〇〇〇円がA某、B某等の強取した現金の一部で

あることは、原判決が証拠として挙示する、司法警察官訊問調書中の被告人の供述

記載によつて、認めることができる。それ故、原判決には理由を附せず又は理由に

齟齬ある等の違法は存しない。

三、賍物性知情の点の証拠としては、原審公判廷外の自白である司法警察官訊問調

書中の被告人の供述記載が挙示せられているにすぎないことは、所論のとおりであ

るが、原判決は、これと原審公判廷における被告人の供述及びCに対する司法警察

官聴取書中の強盗被害顛末に関する同人の陳述記載とを綜合して判示賍物運搬罪の

全体を認定したもので、このような認定が刑訴応急措置法第一〇条第三項に違反し

ないことは当裁判所の判例とするところである(昭和二三年四月一七日言渡同二二

年(れ)第一八七号第二小法廷判決参照)。従つて、論旨は理由がない。

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よつて、刑訴施行法第二条、旧刑訴第四四六条に則り主文のとおり判決する。

右は全裁判官一致の意見である。

検察官 茂見義勝関与

昭和二四年四月二三日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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